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「いや、もうちょっと上かな」
気を取り直して、無理だとは思いつつも自分の台詞の修正を謀る。
「……騙したな? 貴族じゃなかったのか」
ダメでしたかwwwwww
権力がない以上は人質としての価値も無い訳で。俺終了のお知らせ\(^O^)/が時報と共にやってくる訳ですねわかりかねます。
「見逃してくだしゃい」
噛んだwwwwwwwwwwwwwwwwwwどうやら死の恐怖が俺の冷静さをゴミ箱にポイしたようですおwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
「みながさない」
ショタまで噛んだwwwwwwwwwwいや待ておまいは何故噛んだしwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
くそっ、縄で縛られてさえなけりゃショタ犯して逃げるのに……一生癒えない心の傷を負わせてやるのに……。
無論、俺はそんな主人公にあるまじき思考を……持ち合わせてるんですね、それが。
とりあえず後ろ手に綾鷹のキャップを開ける。縄を濡らして千切れ易いようにするためだ。実際、濡らしたところで千切れ易くなるかは不明。
腕を動かせる範囲が狭いので、まずキャップが開かない。極めて初歩的なミスだった。
今ので一気に暇になった。そろそろショタの首筋の匂い嗅ぐの飽きたんですけど。噛んでみますか。カプリと。
あ、ちなみに首筋は無臭。興奮はする。
「痛っ。ドラキュラかお前は」
「むしろ僕の血を飲んでください」
「は?」
それが吸血忍者だったら尚良しってことで。ユー可愛いよユー。
「俺はドラキュラじゃなくてワーウルフだよ」
ユーはユーでもお前じゃねえよ。でも擬人化みたいで可愛いから許す。
擬人化の代名詞と言えば萌えもん。異論は認めるが反論は認めない。
「……まあ、人間とのハーフなんだけどな」
お前を集落に連れて行けば信用も得られるだろ、と付け加える。こいつの信用のために死ぬのは嫌なので、俺も少し足掻かせてもらうか。
「ワーウルフ? 知らんよそんなもんwww」
「なっ……!」
宣戦布告とも取れる発言を笑いながらする俺。
案の定というか何というか、ショタは「可笑しいだろ! ほら、これだよこれ!」と言いながら変身して見せた。
ショタが握り込んでいた部分の縄が緩くなり、結果的に拘束具としての用を満たさなくなる荒縄。
計算通り……!
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