母親「生存フラグ? 何よそれ、おいしいの?」

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 うわ何だよ超面倒臭い質問してくるよこの爺さん。好々爺とは言えないような渋めの顔立ちしてるくせに。 「私は旅をしておりまして、住む場所などとうの昔に自分で焼き払いました」  テラエルリック兄弟wwwwwwww  俺は審判長の足元に跪いて答える。雰囲気出るかなって思ってやったけど、騎士さんに「こいつ……ドMか……!?」って言われただけだった。泣きたい。  しかし分かったこともある。この世界では必要以上の敬意は怪しまれるだけ、ということだ。  …………もうドMキャラ突き通そう。 「……ならば、儂の所に来んかの? 君と同じような年の子供がわんさかおるぞ」  仲間で釣るつもりか? 生憎だが、俺は集団行動は嫌いだ。しかも学園とかいうワードが出てくるならなおさらだ。 「こちらとしてもご厚意に甘えたい所存ですが、旅を続けたい故、遠慮させて頂きます」  当たり前だ。集団行動なんて、自分の意見が通らないようになるだけじゃないか。それに、集団の中心に目を付けられるだけで、平和な生活なんてのはことごとく崩れ去っていくんだよ。  そんなデメリットしか見出だせない行為を、何故この俺がしなければならないんだ。ふざけてんのか。  だから俺は、やんわりと断る。気づかれない程度に相手の顔を立て、常に一歩引いた場所から事の成り行きを見守る。長ったらしい説明文を並べたが、要はただの傍観者。いつも端から見てるだけ。  異世界転生……いや、俺の場合は転送か。そんな主人公じみたことをするのも、これが最初で最後だ。  俺は目立たず騒がず、これからの余生を過ごしていくのさ。 「そんな物は知らん。儂が言ったのじゃから、黙って頷け」  ……あ、あるぇ?
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