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呆然とする美穂の上からクスクスわらう彼の声。
「えっと、今ので4回かな?ほら、大したこと無いでしょ?」
指折り数え笑う彼の顔はどこまでも爽やかなのに美穂の心は晴れたりしない。
ただ、呆然と彼の顔を見上げていたら、彼はさらに目を細めにっこり笑う。
チュッ
「だから、泣かないで。じゃないともっとキスするよ?」
そんな言葉にハッとして、両手で彼を突き飛ばして、美穂は後ろへ下がると力無くへたり込んでしまった。
「……大丈夫?」
美穂が力一杯突き飛ばしたにもかかわらず、彼は1歩後ろに下がっただけで、すぐに美穂の前に歩み寄り綺麗な手を差しだす。
「なっ、なんでこんな事っ」
その手を取ることなく睨みあげるが、彼は涼しい顔で美穂の腕を優しく掴みグイッと引っ張り彼女を立たせた。
「ん?だって女の子が泣いてたらほっとけないし、その原因が僕なら尚更でしょ」
「だ、だからって、キ、キスしなくたって……」
最初は人違いだったとしても、そのあとのキスは……。
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