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校内をさ迷い歩くこと早1時間。
「これも迷子っていうのかな」
転校初日に迷子だなんて、このままじゃ遅刻も確定。
そんな未来に涙だって出そうになる。
目の前に見えるのは大きな校舎だけど、古びたその中には人の気配を感じられない。
最近、建て直したと説明を受けた時に聞いたからこれは間違いなく旧校舎。
「はぁ、どうやったらこの向こう側に行けるの?」
聞きたくても人はいない。
美穂はもう一度ため息をついて、その場に蹲(うずくま)り右手で右ひざを撫でた。
鍵のかかった校舎を通り抜けることは出来ない。
この道の先は行き止まり。
「どうしよう・・・・・・」
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