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美穂は強く右膝を撫でた。
ドキドキする心臓。
不安と期待、恐怖と喜び、
いろんな感情が出たり入ったり。
「歯がゆい、ってこういうことなのかしらね」
手塚の言葉に同調したくてもかみ合わない歯はうまく言葉を紡げそうに無くて、美穂は何も答えずただコートの中の凌を見つめた。
相手チームがゴールに切り込んでいけば、観客はダンクシュートに期待の歓声を上げる。
「いい加減、ムカつくね」
その声に琢磨が振り向けば、いつもより感情を露わにした凌の顔。
「じゃ、お前が何とかしろよ」
そう言うと凌は少し目を細めキュッとバッシュを鳴らした。
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