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「もしかして、僕が少し遅れたから泣いてたの?」
自分の置かれた状況がさっぱりわからなくて美穂は驚いた表情のまま見上げていると、彼はクスリと笑いまた口を開いた。
「こんな可愛い顔して泣かれたんじゃ、断るなんて出来ないよ」
そんな台詞に我に返るが、さっぱり意味がわからない。
「あ、あの」
「うん、勿論返事はイエスなんだけど、今日は部活があるからその後でいいかな?」
一体、何の話をしてるのか。
今日転校したばかりで誰かと待ち合わせなんてしてるはずもないし、目の前の彼が誰かなんて勿論分らない。
だから、人間違いですって言おうとしたのに彼の言葉に遮られて美穂は口ごもった。
「じゃあ、これだけ先にプレゼント……」
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