もっと・君に伝えて・・・<キスよりもっと>

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今朝は目覚ましもばっちり。 ご飯だってちゃんと炊き上がってって・・・・・・。 「これで、いいのかな」 二つのお弁当をじっと見つめる。 夏だからおにぎりの中身は梅干。 おかずは定番だけど鶏のから揚げに玉子焼き、ブロッコリーにプチトマトも添えて。 「定番過ぎ?」 「あら、豪華ね」 「わっ!お、お姉ちゃん?!」 いきなり後ろから声を掛けられて、美穂の心拍数は朝から跳ね上がる。 「ふーん、冷食使ってないんだ。から揚げも揚げたて」 そう言いながら詰めきれなかったから揚げを摘んで口の中に。 「うん、愛情たっぷり!」 「はっ?」 「いいわね~、青春って」 「もうっ!お姉ちゃん!!」 顔を真っ赤にして叫ぶ美穂に、姉は笑いながら洗面台へ。 「・・・・・・もうっ!」 もう一度、そう呟いて二つのお弁当を包んだ。 .
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