もっと・君に伝えて・・・<キスよりもっと>

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ベッドの中から手を伸ばす。 時計を掴んで、確かめれば、 「・・・・・・6時」 前。 目覚ましが鳴るより先に目が覚めてしまうのは、 「インターハイ、か」 今日から始まるから――。 「頑張ってね」 姉の声を受けて 「行ってきます」 と笑顔で答え、家を出た。 マンションのエントランスを抜けると―― 「先輩?」 「おはよう、今日はさすがに朝練はないからね。今、電話しようかと思ってたところ」 そう口にした通り、彼の手には携帯が握られてて。 「行こうか」 その声に「はい」と答えて彼の隣を歩いた。 だけど、今朝の凌は口数が少なくて・・・・・・、 「先輩、どうかしたんですか?」 そう聞いても、 「どうして?いつもと変わらないと思うけど?」 そう返されて・・・・・・。 学校からはバスに乗って空港へ、 そして、 インターハイの会場・沖縄へ―― .
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