34022人が本棚に入れています
本棚に追加
空港からはバスでホテルまで。
「ねぇ、本当にいいの?」
隣に座る手塚に、美穂は「はい」と笑顔で答える。
だけど、手塚の顔は晴れなくて。
「『来年がある』なんて思ってたら間違いよ?こういってはなんだけど、来年は――」
「分かってます」
来年、またインハイに出るのは難しい。
けれど、インハイのベンチに座れるマネージャーは一人と決められているから。
「今までチームをまとめてきたのは手塚先輩じゃないですか。あたしは観客席で十分です」
同じ空間にいれればそれで――
そう言って笑う美穂に手塚も少し苦い笑いを浮かべて、
「ごめんなさいね」
なんていうから、美穂はふるふると首を振った。
.
最初のコメントを投稿しよう!