もっと・君に伝えて・・・<キスよりもっと>

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空港からはバスでホテルまで。 「ねぇ、本当にいいの?」 隣に座る手塚に、美穂は「はい」と笑顔で答える。 だけど、手塚の顔は晴れなくて。 「『来年がある』なんて思ってたら間違いよ?こういってはなんだけど、来年は――」 「分かってます」 来年、またインハイに出るのは難しい。 けれど、インハイのベンチに座れるマネージャーは一人と決められているから。 「今までチームをまとめてきたのは手塚先輩じゃないですか。あたしは観客席で十分です」 同じ空間にいれればそれで―― そう言って笑う美穂に手塚も少し苦い笑いを浮かべて、 「ごめんなさいね」 なんていうから、美穂はふるふると首を振った。 .
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