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フライト時間の関係上、開会式には間に合わず。
ホテルに着いたのはお昼をかなり過ぎたころ。
「明日から試合だって」
そう、明日はもう1回戦が始まる。
しかも、
「相手は優勝候補らしいよ?」
いつもの爽やかな笑顔で他人事のように話す彼に皆、唖然。
「・・・・・・おい、もう少し緊張感と言うか切迫感は無いのか?」
琢磨の声に凌は「どうして?」なんて首を捻る。
「最初にそういうところにあたれていいと思わない?体力も消耗してないし」
「それは相手は同じって知ってるか?」
「あぁ、言われてみればそうだね」
と、笑う彼はいつもと変わらない。
「でも、何を言っても変わらないから。今日はこの後自由時間ね?」
「はっ?!」
全員の驚く声に凌はにっこりと微笑む。
「だって、今日怪我しちゃったら意味ないでしょ?」
「いや、そりゃまぁ確かに・・・・・・」
なんだけど。
「それじゃ、ここからは自由時間ってことで。
解散」
彼の声に、皆顔を見合わせ、
ゆっくりと荷物を持って部屋に移動し始めた。
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