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「なんか、変じゃないですか?」
今の台詞もだけど、もっと言えば朝から。
美穂の声に手塚も「うーん」と唸る。
「もしかして・・・・・・」
「もしかして?」
手塚はゆっくりと顔を上げて、凌の背中を見つめる。
「ここがゴールだと思ってるとか」
「はい?」
「インハイの会場に来て、満足しちゃった、とか?」
「・・・・・・・えぇ!?」
驚く美穂に手塚は自分の台詞に納得するように「うん」と頷く。
「アイツって他の選手の面倒は見ても、自分への向上心ってあまり感じられないのよね」
格が違うといえばそうなのだけど、と続ける手塚に美穂も妙に納得して。
練習風景を思い出しても、自分の練習は基礎のみ。
後は部員の指導ばかりで・・・・・・。
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