もっと・君に伝えて・・・<キスよりもっと>

61/61
34001人が本棚に入れています
本棚に追加
/584ページ
熱気に包まれた体育館。 ボールの弾む音、シューズの摩擦音。 そして、今までにない緊張感。 観客席の人数も今までとは比べようもないほど。 その中でただ一人、 「みんな、始まるよ」 彼だけが爽やかな笑顔を浮かべる。 「・・・・・・お前には緊張感ってものがないのか?」 琢磨の声に「それって役に立つの?」と笑顔で返す。 「あのね、6回勝ったら優勝なんだって」 「・・・・・・おい」 「どうしても優勝したいから、みんなよろしくね」 透き通るような声、 爽やか過ぎる笑顔、 彼は紛れもなく『鳴海凌』で・・・・・・ 「じゃ、行くよ」 こうして、熱くて甘い(?)インターハイが始まった。 「ど、どうしよ・・・・・・」 観客席、真っ赤な顔でそう呟く美穂も巻き込んで。 『勝ったら――、約束だよ?』 【第2部・完】
/584ページ

最初のコメントを投稿しよう!