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熱気に包まれた体育館。
ボールの弾む音、シューズの摩擦音。
そして、今までにない緊張感。
観客席の人数も今までとは比べようもないほど。
その中でただ一人、
「みんな、始まるよ」
彼だけが爽やかな笑顔を浮かべる。
「・・・・・・お前には緊張感ってものがないのか?」
琢磨の声に「それって役に立つの?」と笑顔で返す。
「あのね、6回勝ったら優勝なんだって」
「・・・・・・おい」
「どうしても優勝したいから、みんなよろしくね」
透き通るような声、
爽やか過ぎる笑顔、
彼は紛れもなく『鳴海凌』で・・・・・・
「じゃ、行くよ」
こうして、熱くて甘い(?)インターハイが始まった。
「ど、どうしよ・・・・・・」
観客席、真っ赤な顔でそう呟く美穂も巻き込んで。
『勝ったら――、約束だよ?』
【第2部・完】
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