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それがいきなり現れた『鳴海先輩』に奪われて、挙げ句の果てに『人違い』
こんな事って――
「どうして泣いてるの?」
彼の顔から笑みは無くなり、困ったように首を傾げる。
その声はとても優しいものだけど、許す気にはなれなくて、美穂は涙を掬おうと伸びてくる彼の手をパシンと払った。
「……初めてだったのにっ」
そう言うのが精一杯。
その一言で理解したのか、彼は「そうか」と呟くと美穂に払われた手をズボンのポケットに入れ小さく息をはいた。
そして――
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