-私の秘密-

45/57
前へ
/91ページ
次へ
―1年前 バレンタイン前日― 「完璧。」 目の前にはガトーショコラ。 綾が大好きで、バレンタインにあげる約束をした。 お菓子作りは大得意。 バレンタインは毎年手作りだ。 「はぁ…。 なんで3つも…」 お父さんと綾 2人分でいいはずなのに。 3つも作っちゃった。 永井に…? すきって気付いたのに。 この関係が壊れるのが怖くて ふられるのが嫌で 元旦の日から 一度も永井に気持ちを伝えられずにいた。 永井はモテる。 明日は月曜日。 嫌でも彼が女子に囲まれてるのを見なくちゃいけない。 それを黙ってみてられる自信がない。 「もってくか。」 無理ならそれでいい。 渡せなかったら自分で食べちゃえば。 喜ぶ綾の顔と 苦笑いする永井の顔が同時に浮かんできて 複雑な思いがした。 「嫌な予感がする…」 .
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加