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私はどうして、このような山中を、この時期に、車を走らせてしまったのだろうか。
外では雪が吹雪き、視界はますます悪くなっていく。
ほんの近道のつもりだった。
朝の天気予報では快晴だと言っていたし、空も雲一つない青空が広がっていたのだ。
ところが。
山道を中程まで通った辺りから、雪が降り出した。
これはいけない、と思ったときには手遅れとなっていた。
もはや車が止まるのは時間の問題だ。
「どこか建物はないだろうか」
自らの不安をかき消すかのごとく、コージはポツリと呟いた。
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