ある日、吹雪の山中にて。

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車を捨て置き玄関扉まで走る。 なんとしても中に入れてもらわねばならない。 「だれかいませんか?良かったら少し休ませて貰いたいのですが」 できるかぎりの大声で、戸を叩く。 灯りがあるのだから室内に人がいるはずである。 しかしどれだけ大きい音をたてようと、中からなんの反応も返ってはこない。 そうしている間にも雪の塊がコージを打ちつける。 このままでは凍え死んでしまうかもしれない、と思えるほどにまで身体は芯から冷え切っていた。 いたしかたない。 コージはドアノブに手をかけた。
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