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――結局、どの部屋にも人間1人いなかった。
人間はいなかったのだが。
おかしなことに、いくつかの部屋は電灯がついていたのだ。
コージの胸がざわつく。
これだけ人間の存在を確信できる事実が目の当たりにあるのに、依然としてその存在を確認できないのだ。
いよいよ妖しげな臭いを漂わせてきた。
コージはある部屋の前に立っている。
それは二階の一番奥にあった。
コージが未だ調べていない、この館の最後の部屋である。
もし、ここに住人がいなかったら…。
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