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次の瞬間、やれ悪党だのギャングだのといわれのない罵声を浴びせられ縄でぐるぐる巻きにされた。
ようやく事態の異変に気付いたレイラが頭を上げて、目線が重なる。そしてその蒼眼がゆっくり下におりていき、なにかを見つけてびっくりしたような表情をした。
そんなレイラの肩をぽんぽんと叩く褐色肌の色っぽいお姉さん。
「大丈夫よレイラ。もうこんな犯罪者に頭下げなくていいの。ま、お助け料はきっちり頂くけどね♪」
「いやまあ確かにお尻触られましたけど……」
もうなんでこいつはこんな余計なことを……。
行商人が口々に許せねえ、とかイストリアの恥さらしめ、とかエレミア様の裁きを受けろとかがなり散らしてくる。
オッサンは疲れた、帰っていいか……?
「あ、でもこの方はクルケッサ・イーグル中尉という――」
「ううん、全部言わなくてもお姉さん。分かってるわ。権力を利用してこんな天然娘を手込めにしようなんて変態以外の何者でもないわ! こういう屑に困ったらまた私をお金で――」
「話を聞きなさい!!」
レイラの一喝で一斉に静かになった。
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