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「ところでよ」
はい、と短く返事をするレイラ。立ち話もなんだから、とりあえず街を宛もなく歩く。
露店商がちらほら見えるがどれも大したものはなさそうだ。
歩きながら、そっとレイラの尻をさする。柔らかく、それでいて無駄のない引き締まったいい尻だ。
ひっ、と小さく声を漏らして顔が真っ赤になった。おう、どこまで堅物なんだ逆に楽しみだ。
「ちょ、な、なな何を!?」
「いやいい尻をしているな、と思って。だいたい十年も禁欲してた野郎が娑婆に出て女と会ったらやることなんぞ一つしかねえだろ!」
「なんで逆ギレ――ひゃう! いつまで触ってるんですか!!」
こいつ面白え。からかいがいがあるな。
「……もう一度戻られますか? セクハラは立派な犯罪です」
「アッハッハ、すまんかった! これでいいか?」
「猛省して下さい!!」
レイラは怒って俺の四,五歩先を行き、なにやらぶつぶつ恨み辛みを垂れている。
そのまま露店商の終わりに差し掛かると、なにかを思い出したように振り返るレイラ。
何事もなかったように表情がまた硬くなる、顔は赤いままだが。
「ネフティスに送り込んだ密偵からの情報です。ソビニア・ゾル・アギハ中佐が傭兵ヘカトンケイルを雇いいれたとのことです」
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