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背筋が伸びていて、自然に顎を引く形ができている。
こんな子が、東京のど真ん中で誰にも見初められずにいたかもしれないかと思うと興奮を隠しきれない。
「いきなりでごめんなさい、私、こういうものなのですが」
手馴れた動きで、スーツの内ポケットから名刺を差し出す。
この子が、今まで街中でどれだけの男から声を掛けられてきたかは計り知れないが、もしそうなら、とりあえずは信用してもらえるはず、と自負している。
怪しげな風俗系のスカウトによくみられる、いかにも、というような胡散臭い、クスリでも効いてそうな若い奴には、ついていかない方が無難だ。
最初のうちだけ、ソフトな物腰で安易なグラビア撮影などを持ちかけてくるが、安心しきって判を押そうものなら、今度は契約を盾にとってどんどん要求がエスカレートしてくるし、辞めようとすれば、莫大な損害賠償とやらを請求してくる。
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