遭遇

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若々しくて張りのある声だ、と思った。 往年のヴィヴィアン・リーみたいだとも思った。 だがそれ以上に、あまりに礼儀正しい挨拶を返してくるのに、少々面食らってしまった。 名刺を受け取る様子からして、この子は今までスカウトの類いから勧誘された経験がない。 にわかには信じ難いが、即座に察知した。 いったいどういうことだろう、そう思うとますます興味がかき立てられた。 「こちらのフォーラムには、よくおいでになるんですか?」 「いえ、はじめてです」 「先生とはお知り合いで?」 「いえ・・・」
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