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伏し目がちに話す彼女の表情には一点の曇りさえ見られない。
だが、謎が深まるばかりで一向に正体がわからない。
困惑が湧き上がるのを感じつつ、その感情を覆い隠すほどの好奇心が先に立ち、早く本題に入りたいと焦る自分がいた。
「ちょっと、お時間取らせてもらえませんか?」
そう誘った瞬間、彼女のエメラルドのような瞳がゾッとするほどの冷たい光を湛えていた意味に、桐谷はまだ気がつかないでいた。
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