降臨

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いや、むしろ彼らには姿が見えてなくて、その女性が人々をあざ笑うかのように都会の喧騒の中をすり抜けていった、という方が正しいような気がする。 「誰なんだろう、あのひとは・・・」 研児は数メートルごとに立ち止まっては振り返り、しだいに消え入るように小さくなっていく彼女をいつまでも追っていた。 もうお目当てのグラドルのことなど、どこかに消し飛んでしまっている。 その後、オフ会の場所には辿り着いたものの、誰と何を話して過ごしたのか記憶がない。
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