君の手

1/1
前へ
/129ページ
次へ

君の手

“綺麗な手やね…” 私は君の手をとって言う “細くて…長くて…美しい手やわ…” まるで女の子の手みたい 白くて美しい君の手… そっと指を絡める… “…冷たいやろ?” “ほんまやな…冷え症なんかな…” 絡めた指に力が入る… “…でも…手が冷たい人は心が温かいって言うやん” 私は君の目を見つめてそう言った… フッと笑う君 “…自分嫌いなんさ…細くて小さい手…” “そうか?… 私は好きやよ… 細くて綺麗な君の手が…” 冷たい君の手に私の温もりが伝わって行く… “…手あったかいな… …” 二人は絡めた指を離さない… 温かい時間が流れる… いつまでも… 君の手を離したくない… 君をずっと温めていたい… 君の美しい手を眺め… 私はそう願う…
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加