華(いのち)

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華(いのち)

“おはよう!今日も綺麗やな…” 朝起きて、君の顔を見る… 今の私の日課… 君は黙って東の空を見つめる… その横顔は 本当に美しい… “昨日は雨が凄かったなぁ…大丈夫やったか?” 私は君の横顔に触れ 朝露の雫を手に受ける… 朝日に照らされた君の横顔が眩しくて… 気高くて… 触れた指をそっと離す… 君は何も答えない… ただ… 今日も… 精一杯花を咲かす… 限りある命と知っているのか… 己の使命を解っているのか… 今日も私に希望を与えてくれる… “…潔く生きなさい… 己の使命を全うするために… 貴女も美しい華を咲かせなさい…” 物言わぬ君は 今日も美しく生きる
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