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ピピピッと目覚ましの電子音で部屋に鳴り響く。
茉代は叩くように目覚まし時計を止める。
カレンダーの日付を見て舌打ちをする。
今日もまた一日が始まる。
目覚めきれていない重い体を布団から出し、目覚ましを止める。
そして茉代は大きな欠伸をし、再度布団の中へ潜り込んでしまう。
またも目的を果たせなかった目覚まし時計は昨日より悲しそうに見える。
それから数分後、茉代が眠る部屋の隣の部屋が騒がしくなる。
茉代は起き上がり、自分の代わりにブーブークッションを布団の中に入れる。
そして自分はベッドの下に潜り込む。
やがて来る騒音に備えて。
「朝だぞ、お兄ちゃーん!!起きやがれー!!」
騒音の原因、妹が明るさ満点の笑顔で飛び込んできた。
妹はベッドの上に膨らみがあるのを発見。
「妹ラブラブキーック!!」
飛び蹴りをした。
蹴りはまっすぐベッドの膨らみへと向かい、直撃する。
が、ブーっと拍子抜けする音がする。
妹が布団をめくると中にはブーブークッションが置いてあるだけだった。
ブーブークッションにはドッキリ大成功の文字と豚のプリント。
そしてそれを妹が見ている間に、ベッドの下から手が伸び、妹の足首をがっちり掴む。
妹は女の子らしい悲鳴をあげたとほぼ同時に宙吊りにされた。
「はじめまして」
茉代は妹を宙吊りにしたまま、冷めた声で言う。
茉代は、今日も新しい同じ一日を繰り返す。
今日は2月7日。
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