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今日も俺は朝の日課をする。
突撃してくるであろうノーパン少女の対応だ。
まず蹴りを避けるが、そのままだと勢いを殺せずに脚を挫き、泣きわめいてうるさいのでクッションを置く。
次に、俺を発見すると二度目の蹴りをしてくるので先に足を掴み、吊り上げる。
ノーパンなんだが、俺としては見慣れているため興奮もしない。
むしろ、ノーパン少女が風呂場にいる誰かに遭遇し、問題事が起きてしまった場合のことを考えるとそんな気があったとしても萎える。
その問題事を起こさないためにも、ノーパン少女を窓から下の茂みに落とす。
多少の切り傷はあるが、あの問題事が起きるよりかはマシだろう。
食卓は、この後のために敢えて妹だと認めた振りをする。
登校するときは速やかに学校に行かないと必ず悪いことが起きる。
昼に、屋上の宇宙人を退かす。
後で天使とガチンコバトルを繰り広げて地球を滅ぼすからだ。
下校もやはり迅速に済ませないと悪いことが起きる。
家に着いてしまえば安全なのでそれまで駆け足。
この後はノーパン少女を連れて町を歩く。
誰かが死ぬのを防ぐためだ。
死んだところで蘇るのだが、もし明日が来たときに蘇らなければ後味が悪いからだ。
今のところは明日が来る気配はないんだが。
全員を救うのは無理だとわかったので、一日ごとに救う人を決める。
日付は変わらないが、俺の中で一週間を決め、それに合わせる。
病院、駐車場、山中、公園、駅前、下水道、交番の七ヵ所を巡る。
昨日は公園なので、今日は駅前だ。
無駄なことなのはわかっている。
だが、俺は絶望すら許されない。
小さな光にでもすがりつき、夢を見るしかない。
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