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今は駅での問題事のために、徒歩で駅に向かっている。
ノーパンも解決に必要なので、2時32分55秒に駅の入り口にある券売機の一番左で何でも良いから券を買えと伝えておいた。
ふざけた性格をしているノーパンは、俺が無茶なことを言っても大抵は言うことを聞く。
この世界で俺が信頼出来る人間の一人かもしれない。
そして、そう思う自分に戸惑った。
「チッ、なんであのバカを誉めてんだか」
だが、このまったく信じることの出来ない世界より信じられるのは確かだ。
俺はこの世界がどんなものか知らない。
繰り返す日々、天使の存在、死が蔓延する街町。
ここは非現実が日常となっているあたり、異世界と言っても過言ではないはず。
今まで、この状況を打破しようとあらゆる手段を取ったが、未だに良い変化が起きたことはない。
何か変化が起きたことはあったのだが、変化が小さすぎ、気付かなかったり忘れたりで頭には残っていない。
振ったところでカランとも鳴らないだろう。
だが、そんな俺でも光はまだある。
そんなことを考えているうちに駅前に着いた。
人通りは多いが、混雑はしていない。
駅前の広場に立つ時計はもう少しで二時半を指すところだ。嫌いな問題事が起きるまで、後数分。
時間を体が覚えてしまったせいか、時間には正確になった。
寝起きは例外。
とりあえず駅の脇に置かれた自販機でアイスコーヒーを買っておく。
別に飲むわけじゃない。
これが一番ちょうど良い。
ただそれだけだ。
それに俺はブラックのコーヒーが飲めない。
飲めないと言っても、嫌いなわけじゃない。
コーヒーはカプチーノがおいしいからだ。
むしろコーヒーはカプチーノ以外に考えられない。
カプチーノがおいしすぎるから他のブラックやら微糖が飲めなくなるんだ。
だからブラックが苦くて飲めないとかそういうわけではない。
疑った奴にはコーヒーの粉末を喉に詰め込んでやる。
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