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ピピピッと目覚ましの電子音で部屋に鳴り響く。
ベッドの上にある毛布の膨らみがもぞもぞと動く。
それが本作の主人公っぽい人物の茉代 翔(ましろ かける)である。
自分で設定した目覚まし時計に小さく舌打ちをする、主人公か疑いたくなるような人物。
そして、今年で18歳となる高校生。
今日は2月の26日。
冬の凍てつく空気も春の日差しに暖められ、少しずつだが過ごしやすくなる時期。
だが布団から出るのにはまだまだ気だるさを感じる寒さである。
しかし布団から出なければ1日は始まらない。
嫌々ながらも重い体を布団から出し、目覚ましを止める。
「ふあぁー…」
そして茉代は大きな欠伸をし、再度布団の中へ潜り込んでしまった。
目的を果たせずに静まり返った目覚まし時計はどこか悲しそうに見える。
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