はじめまして

8/10
前へ
/44ページ
次へ
一人と二匹が帰宅する。 茉代は自称妹をケロ助と一緒に庭に繋ぎ、家の中に入る。 「ちょっとー。お兄ちゃーん、今の行動に違和感ない?」 自称妹が呼び止めた。 「ない。俺は犬を繋いだだけだ。違和感も何もない」 茉代的には犬の方が扱いやすいし、問題事も起こさないので、犬のままで良いと思う。 「俺の妹は首輪繋がれて散歩したり、犬と会話したりはしないからな」 そう言って、茉代は後悔した。 今のって、妹を認めたことにならないか。 茉代の不安は的中。 妹が尻尾振って喜んでいた。 首輪を外し、茉代に飛び掛かる。 が、その勢いを利用して茉代が自称妹、改め妹を放り投げる。 「うぴゃー!」 妹は見事な放物線を描き、数十メートル先にある池に落ちる。 着水までを見るまでもなく、茉代は家の中へと入っていった。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加