12←4

5/13
前へ
/27ページ
次へ
結果は分かっていたこと。 ずっと逃げていたのは、 その事実を見たくなかったから。 のにも関わらず、自分から見てしまった現実は ありえないほど重くて、苦しくて…。 「かーえ?」 「…小澤、さん?」 「まさるくん、楓が診察うけてくれない、っつって困ってたよ?」 「他は?」 「?べつにきーてねーけど…」 会いたくなくて… 顔を見せたくなくて… ずっと診察を受けてなかった。 けど、優。 本当は、俺の告白で困ってんでしょ? 「あのさ、小澤さん。すぐそこの公園に、でっかい木、あるでしょ?」 「うん」 「あれの絵、描いて?」 「いーよ」 今さら、外出許可、無駄にしたことを後悔した。 ずっと、外に行きたいと言い続けたのは、自分だったのに。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

192人が本棚に入れています
本棚に追加