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結果は分かっていたこと。
ずっと逃げていたのは、
その事実を見たくなかったから。
のにも関わらず、自分から見てしまった現実は
ありえないほど重くて、苦しくて…。
「かーえ?」
「…小澤、さん?」
「まさるくん、楓が診察うけてくれない、っつって困ってたよ?」
「他は?」
「?べつにきーてねーけど…」
会いたくなくて…
顔を見せたくなくて…
ずっと診察を受けてなかった。
けど、優。
本当は、俺の告白で困ってんでしょ?
「あのさ、小澤さん。すぐそこの公園に、でっかい木、あるでしょ?」
「うん」
「あれの絵、描いて?」
「いーよ」
今さら、外出許可、無駄にしたことを後悔した。
ずっと、外に行きたいと言い続けたのは、自分だったのに。
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