192人が本棚に入れています
本棚に追加
優を避けるようになって、
小澤さんに絵を描いてもらうように頼んで、
久しぶりに変わってきたことがある。
起きるのがつらい。
今までも、良くなって、悪くなっての繰り返しだったけど、今回のは、どうしようもなく、つらい。
「俺、死ぬのかな」
たった一人の部屋でそんな事呟いても、壁に吸い込まれるだけで…。
ほんとに…本当に、
死んでしまうかもしれない。
優に謝んなくちゃ…
応援、してあげなくちゃ…
そう思ったら、急がなくちゃいけない気がして、クラクラする頭を押さえて、起き上がって、メモにボールペンを滑らした。
「楓、「診察、でしょ?」
書き終わった頃、優が入ってきた。
これと、小澤さんの絵が出来るまでは、死ねないから。
「最近、どうだった?」
「起きるのが、つらい時とか、増えたかも…」
やっぱり、という顔をした優は、いつもと違って、かっこよくなくて、情けない顔をしていた。
最初のコメントを投稿しよう!