18時27分

2/3
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
 外は、雨だった。 空いている手を空に向けてみれば、霧雨というか、いや、もう少し雨粒が大きい雨が、ポツリポツリと当たった。 普段の私なら、この程度じゃ傘なんかささないけれど。 今は、さしたい気分だった。  誰にも、このひどい顔を見られたくなかった。  *  「相合い傘って、一回やってみたかったんだよね」と言いながら、あなたが私の頭上に傘をさして歩いてくれたのは、多分半年くらい前。  たかが半年、されど半年。 心変わりするのには、十分過ぎる時間。  いつからだろう。 あなたが私に本当の笑顔をくれなくなったのは。  黒目が見えなくなるくらい目を細めて、ちょっと首を右に傾げて、私を見つめる笑顔。 いつからか、それになんとも言い表せない違和感を感じるようになった。  その違和感が、その笑い方にあると気がついた時、何かが終わった気がした。 うっすら、眉間にしわが寄っていた。  
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!