2人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
*
気がつけば服は水を吸い込み、腕を挙げることも億劫になっている。
さすがに、これ以上このままはまずいか。もがくべきか。
かなり深くまで沈んで、肺の空気が抜けきるのとほぼ同時に、もがこうとするのをやめた。
お互い、疲れていたんなら。これがベスト。
嘘はつかずに、これでサヨナラ。
辺りが暗くなったのは、単に光が届かないほど深い所にたどり着いたからか、それとも朦朧とした意識がそうさせるのか。
分からなかったし、今更分かりたいとも思わなかった。
最初のコメントを投稿しよう!