🌸かごめは俺の嫁！！🌸

『陽なた』奈落×かごめ💓

、

遠くの喧騒を耳にして炊事場でお茶の準備をするかごめはクスリと笑う。

「…何を笑っている。」

傍らで人数分の湯呑みを出している奈落が問う。

「あ、ごめんね。

ただ、幸せだなぁと思って…」

振り返った妻の笑顔は本当に幸せに満ち溢れている。

「ーーーかごめ。」

後ろからそっと抱きしめる。

奈落は変わった。

かつては負の感情しか知らず

皆が憎しみ傷つけ合うように策を巡らせ

己自信も哀しみと絶望を味わってきた。

だが奈落は他の誰よりも救いを…癒しを求めていた。

穢れも受け入れる無垢な心を持つかごめにいつしか惹かれ、

かごめもまた奈落が纏う孤独にどこか惹かれていった。

対極にある光と闇が互いを求め合い

その想いを確かめてからというもの

奈落はかごめに触れることが格段に多くなった。

彼をよく知る者なら信じられないだろう。

紅の両眸で慈しみ、

髪や頬に触れる手は優しく、

耳に囁く言葉が鼓膜を震わせ、

唇に触れる口づけが愛おしさに満ちている。

奈落の欲していた“安らぎ”がここにある。

「かごめ…おまえを愛している。

他の誰よりも…１番に…」

そしてかごめも奈落の腕に手を添える。

重なる部分から身体の熱が伝わって心地よい。

「私もあなたを愛してるわ…奈落。」

深い深い闇の果てにやっと手に入れた温もり。

誰が手放してやれようか。

出逢い、関わり、絆されて…

共に在るというだけで自然と優しい気持ちになれる。

それはまるでーーー春の陽だまりのような、

Ｆｉｎ．