1.ミニマム-

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「そろいも揃って、なにアホ面してるんですか?確か、欲しいモノくれるんですよね?サンタさんにトナカイさん… じゃあ、この部屋いっぱいに万札束の山を… あ、やっぱり純金のほうが……… どっちがいい?」 サンタとトナカイは一瞬、思考が停止した。 こんなことは初めてだったのだ。欲しいモノ… 子供なら玩具、ちょうど岬くらいの年頃だと、新型のパソコンや、ゲーム… そういったモノを要求してくると思っていた彼らにとって、岬のこの、部屋いっぱいの『金(カネ)』もしくは『純金』という要望は想定外のことだった。 岬から距離を取ると、小人サンタと二足歩行のトナカイはひそひそ話。 ”おいっ マジ、ヤバいって!俺聞いてねーぞ!?マニュアルに、んなこと書いてなかったぞ!?” 『まずいっス!こんな子供初めてッス!!!さすが腹黒っっ 考えてることは真っ黒ッスっっ!!!!【ガンッ!】(げふっっ!!!』 ”ひっ…ー━━!!!!” トナカイが腹黒と言ったその瞬間、背後には笑顔の岬。そして百科辞典が飛んできた。その角がトナカイの後頭部に直撃。そのままトナカイは消え――‥ 壁に激突した。 .
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