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「……痛い」
「当たり前だ。」
叩き起こされた岬は痛む頭を押さえ、恨めしげに最近新しく組まされたルームメイトを睨みつける
「ルームメイトなんですから、優しく起こしてくれてもいいじゃないですか」
「優しく起こして起きないのがお前だろう」
という、会話のやり取りはほぼ毎日だ。
「まったく、起きれないなら最初から目覚ましかけるな。俺がいい迷惑だ!!」
「いいじゃないですか、僕のおかげで早起きできて」
「………お前、今何時だと思ってる?朝方4時だぞ!?外を見てみろ!!!まだ、日も昇ってない!!」
黒髪で自分より背の高い川島を岬は、ジッ…と見上げる。
「いいか、霧島…
どんなに沢山の目覚まし掛けようと、お前が起きられないのはわかってる。俺が起こすから、お前は二度と目覚まし掛けるな!」
―バンッ!!!!
勢いよく扉を閉め、出て行ったルームメイトの背を見送りながら岬は溜め息つく
「それじゃぁ、僕が困るんですよ。学園抜け出せないじゃないですか… せっかく、誰の目もない絶好の機会なのに…」
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