2.『まじない』と『呪い』は紙一重 -

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「先生、僕の人形… 返して」 ……藁人形のことか? 「コレですか?」 「ん。」 岬は怠いのか、言葉短めに返事を返す 「構いませんが、一体何に…… まさか、本当に呪いを-?」 「ん…。ちがう。呪いをかけてるのは僕じゃないよ?」 その言葉にピシッと教室の空気が凍りつく。 「辻君が… 呪いを受けてるから、その人形に身代わりになってもらったんです… 三日前だか、二日前か忘れましたけど、教室に辻君が来たときに… 気づいたので、形代に彼の一部を使うのに髪の毛を少々頂いたのですが… なにぶん、思ったより呪いの力が強くて-」 ああ、なるほど。それでアレか… 志紀は岬の言葉に頷き、納得いった顔でカタカタ…っと震える辻を見た 「最初は、恋を叶えるといった、ただのおまじないだったみたいですが… そのかけた人が何が原因かは知りませんが亡くなったんです。 その亡くなってからも、その恋が報われない無念と彼に対しての執着心に、いつしか彼にかけられたおまじないは『呪い』へ変わったんです… 一緒に連れて逝こうと-」 面倒だったので、と岬は少し困惑の表情を浮かべる 「面倒だったので、祓わず、形代を使って彼への被害は抑えようとしたんですけど… 向こうも邪魔をされてることに気づいてしまったようで、腹を立てたのか。辻君本人にではなく辻君のいるクラスに目を付けたんですよ。 …ここの空気、酷く濁ってます。恐らくこれも… 彼女のやったことでしょう。クラスの仲に不穏な空気を漂わせ、苛つき、お互いに罵り合う… 心当たりないですか」 .
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