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「ゔっ!」
「そういえば、オレたち…」
岬の言葉に心当たりのある彼らは周りと互いに顔を見合わせる-
「…そういうことなんで、貴女に彼を連れて逝かせるわけにはいかないんです」
志紀から離れ、ずっとブツブツ呟いていた辻に近寄ると岬は辻に話しかける。……否、辻の背後に-
『…の-れ… お゙のれぇぇぇぇ!!!小僧っ貴様か!私の邪魔をするのはーっっ!!!』
白い着物、青白い顔… 伸びきったボサボサの髪- まるで鬼女のような形相の女に、
「すみません…
彼に死なれると、僕が困るんですよ。この使った道具のコストだって、ばかになりませんし…
僕の人件費と、道具や材料などのコスト代に、こないだの治療費だってまだ貰ってないんですから!」
リアルにお金の話をしだした。
「「「…………」」」
「………」
『……金、だと!?』
「そうですよ。こないだ教科書の角を当てられて、寮に帰ってみると血がついていましたし、その消毒代に詫びの一つも入れなかったという見舞金。
それに、道具に材料+僕に対する人件費、50万ちょっとですかね… 計算すると。
そういうわけで、後でまとめて請求する予定だったのですが、貴女が代わりに現金で支払ってくれるのなら、別に構いませんよ?」
コイツの金への執着心は相変わらずだな…
キラリと目を光らせる岬の金への執着に志紀の口からはもう呆れの溜め息しか出てこない。
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