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「あわわわわっ!! は、離し…っ離して下さい志紀先生っ!!」
今にも逃げ出しそうな岬だが、残念なことに志紀に腕を掴まれ、逃げることが叶わない
「…なるほど。つまり、その荷物は- 逃亡を謀るため、ですか」
という志紀の問い掛けさえ、今の岬の耳に入らない
「ぼ、僕っ 苦い薬なんか飲みたくないんです!!!」
「じゃあ、点滴だけでもいいから-」
「い、やだぁぁぁぁ!!!」
ビュッ -
ガンッ!
岬は志紀に掴まれていないもう片方の手で手前の欠席の子の机を掴むと片手でぶん投げた
「~~~っ」
ハデスはひょいと軽く避け、飛んできた机が直撃したのはあまりの痛さに声が出ず、踞るカイルだった‥。
ア然と口を開けたまま固まる生徒たち、
志紀もまた僅かに目を見開いていた。
そのちょっとした隙を見逃さず、
バシッと志紀の手を叩き、
「あ!」
志紀が気づいたときには既に岬は窓から飛び降りていた。
「ちょっ… え゙ぇぇぇえぇぇ゙ぇぇ!?か‥ カリヤくぅぅうぅぅぅん!!!?」
カイルが急いで窓に駆け寄ったその直後、悲鳴に近い叫び声と何かのぶつかる音が聞こえた
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
-ガシャァァァァァン!!!!
「「「………………」」」
そして、音という音が何一つしなくなった。
え!? まさか、死?!
青ざめる生徒が続出したのは言うまでもない。
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