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『昔々、大きなお城がありました。国を治める国王と可愛い可愛い白雪姫…
そして、病により亡くした白雪姫の母の代わりに国王が迎え入れたのは妖艶な女性だった。』
演劇部に書かせた脚本を見ながら、ナレーターのクラスメートは読んでいく。
「鏡よ 鏡…
世界で一番美しいのはだぁれ…?」
継母役のシフォンが鏡役の岬に問う‥
鏡はキラリと(眼鏡を)←光らせて応えた。
「はい、それはもちろん下半身ユルユル‥ 万年発情期で自分好みの可愛い男ばかり漁る貞操なしの白雪姫です」
「「「………………」」」
あれっ? そんな台詞あったか!?
ナレーターがひたすら脚本をめくって探すも、やはり載っていない。
首を傾げたそのとき、
「てめぇ!!ざけんじゃねぇ!!!下半身ユルユル!?誰が万年発情期で貞操なしだコラァ!!!?」
ドレスを着た会長の八神が岬もとい鏡の元に、怒鳴り込みに乱入した。
『ちょっ! 会… じゃなくて、白雪姫っ!!まだ出てくるところじゃないでしょ!!?』
ナレーター突っ込む。
「うるせぇっっ!!てめぇ鏡のくせして喧嘩売ってんのか!?」
怒鳴り込みに来る会長もとい白雪姫に、
「真実の鏡は嘘は言いません」
目はキリッと、口は棒読みで答えた。
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