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なんでも応えてくれる鏡に、教室は大盛り上がり。こぞって、賽銭箱に札を入れ、我先にと鏡に問う彼らは他から見れば異様な光景だった‥。
『えっ Σえぇぇえぇ!!? ちょっと!鏡っ なに勝手に商売してんの!!!だめだよ駄目っっ!!
ちゃんとやってもらわなきゃ!!』
ナレーター必死。
「鏡役を演じきっている僕… ああ素晴らしい!こんなにも稼げるなんて!
演劇の練習なんて、つまらないと思ってましたけど、こんなにも稼げるなら一石二鳥ですね」
――… が、まったく聞いちゃいない鏡にナレーターは涙ぐむ。
しかし、
このあと、鏡にも‥
予想外なことが・・・
「わー… 素晴らしい稼ぎですね」
今まで壁にもたれて傍観していた志紀が突然入ってきた
ニコッ…
「それにしても、鏡も偉いですね」
―― は? 何が?
鏡が首を傾げる中、志紀は言う
「皆から頂いた金を全て学園に寄附するなんて…」
「え゙」
思わず声が裏返った鏡。
「へぇ… お前が」
結城先生は感心した目、
「い、いや…っ あ、あのっ」
鏡、ひどく動揺。
極めつけは、
「じゃあ、これは理事長に渡しておきますね… 」
賽銭箱ごと志紀に取り上げられ、鏡からはくぐもった嗚咽が聞こえたとか、聞こえなかったとか‥・・。
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