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それぞれ手に持つ台本には…
『継母は美しい白雪姫に嫉妬し、暗殺を企てました。…タランチュアという毒蜘蛛を使って、自然死に見せ掛けるためです。
魔女である継母に毒は効かない。ゆらり… ゆらり… 大釜を掻き混ぜ、たっぷん… たっぷん!ぷかぷか‥と浮く紫色の不気味な泡(アブク)、
魔女である継母はニヤリ… 口許には笑みを浮かべて・・・
紫色に赤や黄色、マーブルに染まる液体の中にさらにトリカブトを放り込み、ぐーるぐる…
仕上げはタランチュアにそれを注射器で注入、継母は冷笑すると、それをわし掴み、白雪姫の寝室へと忍び込みます…
寝台に歩み寄ると、ベッドのシーツにタランチュアを忍び込ませます。白雪姫ピンチ!!
そして、継母は部屋を後にして数分と経たぬうちにやってきたのは、欠伸する何も知らない白雪姫…
ベッドに潜り込み、落ちる瞼にそのまま身を委ねると…
―― チクッ!
何かが刺さったような、噛まれたような痛みを感じた。すぐに飛び起きた白雪姫は突如身に起こった息苦しさに胸を押さえます…
そうです。継母の罠にかかってしまったのです!
だらり、と…
力無く崩れ落ちる白雪姫。身体が冷たくなるのにはそう時間は掛かりませんでした。…こうして、継母はまた世界で一番美しくなれたのです。
白雪姫は永遠の眠りという…
夢の国へ・・・
お伽話の世界へ旅立っていきました。
めでたしめでたし(完)』
「「「……………いや、(完)じゃねぇぇよ!!!」」」
ストーリーの結末に思わず全員が突っ込む。
「なんだこれはっ!!!?これの何処がめでたしめでたしなんだ!!?夢の国とか、お伽話の世界とか死だろ!?もう明らか、黄泉の国だろ!?死の世界に旅立ってんじゃねぇぇぇか!!!」
お前は俺を殺す気か!?
という会長のツッコミに何人かが頷く。
『…………なんだコレは!!!?』
思いっきり、本来のストーリーと全くと言っていいほど違う脚本にナレーターびっくり。
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