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ホールの入口につくと、 演奏中のため、 その学校の演奏が終わるまで、私達は入口で待っていた。 あぁ。 こうやって待っている時間にも、演奏している人達がいるんだなぁ。 私も、あと何時間かで、演奏するんだ‥ 緊張してきた‥‥。 私は入口の大きなドアから漏れてくる音を聴いて、 少し深呼吸をした。 「‥咲、緊張してるでしょ。」 突然、希が私の顔を両手で挟んで言った。 「そりゃあ、緊張するよ~。だって、あともう少しだもん!」 希の手を握ってどかそうとする。 「咲は、緊張しすぎっ! 初めてのコンクールって言っても、 ここのホールで何回も演奏したじゃん!」 「でも~。」 「咲、か~わいっ」 希がつんつんと、 私の頬っぺたをつつきながら、 からかってきた。 すると、中から拍手の音が聞こえてきた。 そして、ホールの入口の扉が開く .
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