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パチパチパチパチ‥‥ これで何校目だっけ‥ 私は眠たくて重たくなった瞼を、 何度もまばたきしながら拍手をした。 時間は12時を過ぎようとしている。 この吹奏楽のコンクールは、 課題曲が決まっていて、 同じ曲という、同じスタートラインから、 それぞれ表現であったり、 強弱をつけたりして、 その技術を競いあう。 といっても、 ベースはみんな同じ曲。 さすがに十何回も同じ曲を聴いていると、 正直、退屈になってくる。 ふと、周りをみてみると 隣の人も寝ていた。 ここまでくると大抵の女子は、 始まったときの緊張した雰囲気とは裏腹、 寝てるか、手紙交換をしたり、 はたまた、他の学校のカッコいい男子を探したり‥ 真面目に演奏を聴いている人なんて、審査員や顧問ぐらいになってくる。 隣の希はさっきから カッコいい~!なんて連発してるし、笑 私は、今にも眠ってしまいそう‥ .
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