35人が本棚に入れています
本棚に追加
パチパチパチパチ‥‥
これで何校目だっけ‥
私は眠たくて重たくなった瞼を、
何度もまばたきしながら拍手をした。
時間は12時を過ぎようとしている。
この吹奏楽のコンクールは、
課題曲が決まっていて、
同じ曲という、同じスタートラインから、
それぞれ表現であったり、
強弱をつけたりして、
その技術を競いあう。
といっても、
ベースはみんな同じ曲。
さすがに十何回も同じ曲を聴いていると、
正直、退屈になってくる。
ふと、周りをみてみると
隣の人も寝ていた。
ここまでくると大抵の女子は、
始まったときの緊張した雰囲気とは裏腹、
寝てるか、手紙交換をしたり、
はたまた、他の学校のカッコいい男子を探したり‥
真面目に演奏を聴いている人なんて、審査員や顧問ぐらいになってくる。
隣の希はさっきから
カッコいい~!なんて連発してるし、笑
私は、今にも眠ってしまいそう‥
.
最初のコメントを投稿しよう!