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お弁当を食べ終えて、 私達はチューニング(音合わせ)のために、 楽器をとりにいった。 ‥すると、向かい側に笹山中学校がいて、 楽器をしまっていた。 そして、楽器をしまった人から、どんどんこっちへ向かってくる。 「咲っ!!咲っ!! あの人いるよっ!!! こっちくる!!!」 興奮ぎみの希が私を叩きながら言った。 もちろん私は彼から目が離せない。 どんどんこっちに向かってくる彼。 私はとっさに体を背けて、楽器を取り出した。 「咲っ!! なにやってるの? 話しかけるよっ!!!」 希は私を引っ張る。 「でも、ムリムリムリっ!! なんて言えばいいかわかんないもんっ!!」 すると、希は彼に声をかけていた。 私はびっくりして、 走ってみんなの方に行った。 「なにやってるの??? ほら、行くよ!!!」 希がすぐに追いかけてきた。 「なんで、なんで、声かけてるの??? むりにきまってるじゃんー!!!」 「だって咲が何も言わないんだもん。 もぉー。 行っちゃったじゃん。」 そんな私達を見ていた友達が 「咲と希、どうしたん?? 特に、咲、顔真っ赤!! そんなに暑い??」 「咲はねー、 恋してるの!!!」 希は、ニヤニヤしながら言った。 「ちょ、ちょっと待って。 何、勝手に言ってるの?? 咲、好きだなんて一言も言ってない!!!」 「咲の様子みてて、 心が読めるようにわかります~!! これみてて、わからない人なんて、いないでしょ。」 この希の発言に、 友達はびっくりした顔で私を見てきた。 「うそ~!! マジで!!!誰??誰??」 「もう~。」 私は顔を下に向けた。 そして、思った。 私は、彼が 好きなんだ‥と。 .
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