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すると、 希が後ろから追いかけてきた。 「ちょっとちょっと―!! 急に走り出すからびっくりしたじゃんっ! っていうか、 咲、何を聞いちゃってんの??笑 しかも話したこともない顧問に!! コンク―ルなんだから、 結果聞かずに帰るわけないやん!?」 希の言葉にハッとした。 「そっか‥! コンク―ルなのに帰るわけないよね!! よく考えてみたらそうだ!! なんか、咲 帰っちゃうのかなって 思っちゃって‥ そしたら顧問の先生を見た瞬間、 聞かずにはいられなくって‥ 変な心配しちゃったなあ。」 「えっ!! 咲、だからさっき、あんな泣きそうな顔してたの?」 私は恥ずかしくなって 顔を下に向けた。 すると希は 私の頭をぽんぽんっと撫でて 「咲ってほんとか―わいっ」 とからかってきた。 そして、 「もう、わかってると思うけど、今集合してるってことは、 またここに戻ってくるってことだよね?? 私の言いたいことわかる?ここで待ってれば、 会えるってことだよ!!!」 と私の目を見て言った。 「うん‥。 わかってるよ。 だけど大丈夫なのかなぁ。忘れてるよお。」 「そんなわけないやん!! あんなに咲のこと見てたのに!! 今、ちゃんと話さなかったら後悔するよ??」 うん‥ わかってるよ 今、私は話してみたい! 彼は覚えていてくれてるんじゃないかなあ‥ という心と でも、やっぱり こんな何年も経ってるのに覚えてないんじゃないかなあ‥ という気持ちを、 2つとも持っているような感じ。 でも、思う。 ここで話さなかったら 私、きっと後悔するって。 「覚えてないかもしれないけど、がんばってみる!!」 私は、深呼吸をして ロビ―の階段へ向かった。 「うん!! 大丈夫だよ。 もうすぐ来るんじゃない?」 私の背中を軽く押して 希がついてきてくれた。 .
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