プロローグ

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そんなことを考えて歩いているとポケットに入れたケータイ電話から音楽が流れてくる オレは周りの人の迷惑にならないように、道の端に避けるとポケットからケータイ電話を取り出し通話ボタンを押した 「ん?どうした?お茶でもこぼし」 「遅いよ!?たかが買い物に何分かかってるのさ!迷子!?え、迷子になっちゃったの?お母さん心配だよ?」 ケータイの受話器部分から一方的な会話を聞かされる 道端で長電話をするつもりも無いオレは相手の言葉を無視しこう伝える 「誰が迷子だっ!!そして誰がお母さんだっ!!・・・・はぁ、あと少しで帰るから、待ってろよ?」 それだけ言い相手の応答を聞かずに電話を切ってやった 全く、我慢を覚えろ我慢を。 「・・・・ん?」 ふと逆側の道を見ると、春風で桜の花びらが舞っていた 「一年・・・か。・・・」 ちょうど一年前に始まったんだ オレと 桜の物語―――
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