1.忘れ難し故郷の憂鬱

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「もう太陽が沈んじゃう。早く帰らなきゃ」 少女はさらに走るスピードをあげた。風車が音を強くする。 広大な大地。どこまでも続くオレンジ色の空。澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んで。 ああ、気持ちいいな。 裸足で駆け抜ける少女は今、自然と溶け合い、自然の一部になったみたいだと感じた。 そんな清々しい気分で田んぼ道を駆け抜けていると、突然酷い砂ぼこりに襲われて少女は瞳を閉じた。  
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