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華夜さんが、心細い思いをしているのは百も承知。しかし呉服屋にはおそらく大きさから10名ほどの長州藩士が潜んでいると考えられる。対してこちら側は、永倉さんそしてわたしと兵隊士数名。自分の腕に自信はあるものの、もし華夜さんを傷つけてしまったら...と考え、すぐに答えが出せなかった。
「なあ総司。お前が迷ってどうするんだよ。こっちは組長2名に兵隊士も数名いる。何怖じ気付いてるんだ。華夜ちゃんは一刻も早く助けて欲しいはずだぜ。」
「....永倉さん。」
いつもそのくらい説得力のある言葉を言ってくれたらいいのに....
今回ばかりは永倉の漢気に心が押された。
「....みなさん。華夜さんを助け出すために力を貸してください。まずわたしが呉服屋に踏み込みます。そして華夜の居場所を探します。その間みなさんは足止めをお願いしてもいいでしょうか。」
沖田は少し考えた後、そう述べた。
すぐに華夜を見つけないと被害がおよんでしまうかのうせいがあるからだ。
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